ロングツアーで、お客さまに必要なアイテムを持ってきてもらう工夫。「宅急便スケジュールメモ」作成のおススメ。

Ho-zuki(Chinese lantern plant)

訪日外国人の皆さんの中には、10日間~2週間ほどのツアーに参加される方もいらっしゃいます。

その場合、毎日スーツケースをもって観光することはできないので、通常は

お宿からお宿へ、宅急便でスーツケースを送ります。

よって、1晩~3晩くらい、スーツケースが手元にない日もあります。

 

そこで、今回はお客様に必要なものを持参してもらう工夫の一つとして、

「宅急便スケジュールメモ」をご紹介します。

 

1.宅急便スケジュールメモ(例)&記載事項の説明

 

↓クリックすると、例が閲覧できます。

Luggage transfer memo

 

<Luggage transfer memo(例)の解説>

上記クリックしていただくと、宅急便スケジュールメモ(例)が閲覧できます。その記載内容の解説です。

 

・7:00-7:30の30分間の間に、フロント(ベルデスク)に持参していただく。(ばらばらに持ってきてもらうと、スーツケースが行方不明になったりすることもあるので、時間を決めます)

・朝食にくる際、持参してもらうとスムーズです。

・Assembly time :「集合時間」

・You will receive your luggageの右側の月日に、スーツケースと再会できるという意味。

・Luggage absense :「スーツケースが手元にない期間」10/10に発送→10/12に受取なので、2泊3日間です。

・On the intervening nights, you will be provided with:「(スーツケースが手元にない)期間の夜、あなたは次のものを提供されます」。浴衣、シャンプー、タオルなどは持参不要という意味で、記載します。

Please bring with you:この右側に列挙されているアイテムは、overnight bag(お泊り用バッグ)に入れ、持参してもらいたいものです。(最も重要な部分)

・Optional:「必要なら、持参してください」の意。このひな形の場合、motion sickness medicine(酔い止め)などを記載。

山歩きが含まれる場合、トレッキングポールもこちらに記載します。

 

2.作成にあたって必要なリサーチは?

「宅急便スケジュールメモ」作成 おススメの理由:

①集合時間や、出発時間を逆算して決める練習になる

②これを作成することで、同時に、通訳案内士が知っておくべき現地の気候・地勢情報なども収集できる

③お客様に、必要なものを持参していただける

 

リサーチを要するため、作成に時間がかかりますが、

・通訳案内士であるあなたが「あれを連絡し忘れた!」と、夜中に思い出して焦ることが減ります。

・お客様に好評(不安が減るらしいです)

という効果があります。

 

たとえば、次のようなリサーチが必要です。

 

・地点A→Bへ移動する際:

A,B両方の気候チェック(気候は似ているか?大きく異なるか?)

B地点の地勢、路面のコンディション、傾斜(必要な靴の種類・トレッキングポール必要の有無・傾斜はきついか・路面は土、木の根、石段か?)

どのような雨具が必要か(町あるきなら傘、山間部ならレインジャケット・レインパンツ・バックパックカバーなどが必要。)

標高差(気温変化の目安になります)

お宿や、通るルートにあるお店(お店がほとんど無い場所は、必要なものを持参する必要あり)

 

お客さまは「手荷物を少しでも減らしたい」ので、必要なものでも「すぐに買えるだろうから、スーツケースに入れてしまう」場合もあります。

しかし、実際に行ってみたら、お店がなく買えないかもしれません。

また、山間部は気温差が激しく、寒い中薄着でいると、低体温症にかかるリスクも上昇します。

移動先のほうが寒いと分かっている場合、Extra long sleeve layer(重ね着できる長袖)が必要です。

 

トレッキングポールが必要なのに、(手荷物で持参せず)スーツケースに入れてしまったら、ハイキングを思い切り楽しめない場合もあります。

山に行くのに、「街歩き用のシューズで来てしまった」というのも、ガイドの説明不足になりかねません。

 

このように、様々な懸念材料を減らすとともに、新人通訳案内士さんにとって必要なリサーチも同時にできますので、「宅急便スケジュールメモ」を作成してツアーに臨まれてみてはいかがでしょうか。

Stone steps on Mt. Haguro

↑1.7キロの石段。雨が降ったらつるつるです。(トレッキングポールが必要な場所の例)

 

3.ご注意いただく点

持ち物や気候は、季節・ツアーごとに大きく異なります。それに合わせて、常に内容を見直す必要があります。

・冒頭に示しました例は、あくまでひな型です。ご自身の使いやすいように、変えていくとよいです。

・作ったら終わり、ではなく、配布直前まで、アップデート(見直し)が必要です。気候の急変などに合わせて、内容変更する必要が生じることもあります。

・旅行会社さんの方で、集合時間をすでに決めてあり、お客様に通知が行っている場合もあります。通訳案内士が自己裁量で決めてよい範囲を、予め確認しておきましょう。