新人の全国通訳案内士さんが、アシスタントガイドとして「初ロングツアー」の前に出来る準備(例)をまとめました。

※朝日を浴びる尾瀬沼(2018年6月末)

新人の通訳案内士さんが、初ツアーのお仕事を受けた際、事前準備としてできることは何でしょうか?

新人ガイドさんが受ける仕事としては、まずはアシスタントガイドが多いと思います。

そこで今回は、1週間~2週間くらいの長めのツアーでアシスタントされる場合を想定し、準備できることをまとめてみました。

 

1.旅程表(アイテナリ)を入手する

そのツアーが、初めて催行されるものでない限り、数か月前には旅程表の大枠が出来上がっているはずです。

それを、アシスタントガイドさんであれば、可能なら、3か月前には入手しましょう。

(慣れているメインガイドさんであれば、直前に入手する人もいます)

ロングツアーの場合、準備に時間がかかるからです。

その際、

①ガイド用の旅程表 ②お客様用旅程表 の両方を入手するのがポイントです。

 

2.TODOリストを作る→実行する

入手した旅程表を熟読しながら、

①分からないことを書き出す

②①の答えを見つけるためにすべきこと(=TODOリストの作成)

を行います。

 

下記の「TODOリストの例」が参考になるかもしれません。

ただし、自作のTODOリストを作るまで、下記の「TODOリストの例」は見ないでくださいね!

まずは自分で考えてみましょう。

 

3.TODOリストの例

下記に、TODOリストの例を列挙します。

 

①まず、とにかく旅程表を覚える(ガイド用)

②旅程表で不明点があったら、旅行会社さんに確認する

③各訪問地の説明をできるようにしておく

→お客様用の旅程表が参考になります

④各訪問地の地図を頭に入れる

⑤各訪問地へのルート(乗換なども)を頭に入れる

→スマホやタブレットに記録しておく

⑥できるかぎり、下見にいく

→②の疑問の殆どがクリアになります

⑦各訪問地の(訪問時の)気候をチェック

⑧必要な衣類やギアを揃える

⑨想定される危険・事故の内容・場所、またそれを防ぐ対策を考えておく

⑩ツアー申込者の食事制限(乳糖不耐症、グルテン不耐性、大豆アレルギーその他)内容を確認

 

そしてもし、時間的な余裕があったら下記も行いましょう。

「自分がメインガイドだったら、どう案内するか?」を想定し、各日のルートや説明事項を考えておく

→ツアー本番で、アシスタントガイドとしてどうメインガイドをサポートすべきか、見えてきます。

⑫お客様に聞かれそうな質問を想定し、その答えを考えておく

→たとえ、質問に答えられなかったとしても、

「でも、これなら知っています」「これについては説明できます」と、

何か他の知識を提供すればよいわけです。

その時に、⑫が役立ちます。

 

4.下見について

アシスタントガイドだから、下見にはいかなくて大丈夫」と言うかたもいらっしゃいます。

本当にそうでしょうか?

 

ツアー本番では、お客様は、近くにいるガイドに何でも聞いてきます。

アシスタントガイドとか、メインガイドとか関係なく、難しい質問を沢山してきます。

「ガイドは、ツアー訪問地を熟知していて当然」と思っているからです。

その時、

「アシスタントガイドですので、今回ここに来るのは、お客様と同じく初めてですので分かりません」

とは、なかなか言いにくいかもしれません・・・。

 

私はアシスタント時代から、ツアーに含まれる訪問地は、可能なかぎり下見に行っています。

何十年もガイドをされているベテランさんは、地図を見ただけで(下見なしで)ツアー本番に臨まれる方もいらっしゃるそうです。

でも、そのようなベテランさんも、最初からそうだったわけでは無いと思います。

 

さて、下見には、(一通り回る場合)ツアー本番日数の1.5~2倍の日数を要することがあります。

・10日間のツアーであれば、下見期間は15~20日間必要、

・15日間のツアーであれば、下見期間は24日位かかります。

 

下見の終盤ともなれば、体力と精神力の限界を感じてくることも。

大きなスーツケースを持って、お宿からお宿へ渡り歩き、情報あつめとルートの安全確認をする日々が、半月~約1か月、続くからです。

 

さらに、下見から戻った後、「集めた情報を整理し、まとめる」作業にかなりの時間を要します。

このように、1Day Tour とロングツアーでは、下見とツアー準備にかかる時間がかなり違ってきますので、

前述したとおり、旅程表を3か月前には入手することをお勧めします。

 

なぜ、ロングツアーでは、こんなに下見の日数が必要なのでしょうか?

 

次の理由で、本番より下見の方が日数を要することが多いです。

・ハイキングの行程だが、下見予定日に悪天候で下見にいけず、天候回復まで待つ。

・例えば旅程表で「尾瀬のハイキング」が入っていた場合で、かつハイキングルートが複数ある場合、その複数を回って、ベストなルート探す必要があるため、ルートの数だけ日数が必要。

・歩行距離が長く、複雑な場合、1回では道順を覚えきれないことがある→2回歩いて覚える

・「晴天の場合は、〇〇へ行く」「雨天の場合は、〇〇へ行く」という行程の場合、両方の下見が必要(ツアーでは1日でも、下見に2日必要)

 

下見で得られる情報は、計り知れません。

アシスタントガイドさんであっても、ツアー本番前に、かなりの自信がつきます。

何より、お客様からの信頼も得られます。

 

ただ、かなりの費用がかかることですので、まずはその費用を捻出する計画から立てなければなりません。

色んな理由で、下見にどうしてもいけない場合もあると思います。

その場合は、ネットで地図・自治体HP・訪問観光地のHPを確認して、できるだけ多角的な情報を集めておきましょう。

 

  • 追記(2018/10/5)

女性が、行ったことのない山間部へひとりで下見に行くことは、おススメできません。山歩きや登山に慣れている男性でしたら、おひとりで下見に行かれても全く問題ないと思いますが・・・) ご家族・友達・ローカルガイドさんなど、誰かと一緒に行かれることをおすすめします。

 

5. まとめ

ご自分で作ったTODOリストは、時間の許す限り、体調を崩さない程度に、できるところまで行えると良いと思います。

その「誠意」は、必ず伝わります。

 

100%準備できることは稀です! 7~8割できれば良しとします。

ツアーの成功は、準備をどれだけ行ったかが7割、本番でどれだけそれをうまく活用できたかが2割くらいの割合で決まってくると思います。

残りの1割は、気候やお客様のタイプ、運、その他もろもろ、の要因が影響してきます。(気候に対する準備も先述の7割に入りますね)

あくまで、私の感覚ですが・・・。

早めに準備に取り組むことが大切だと、いつも感じています。

 

今回の記事は、あくまで

「新人ガイドさん」が「(1日ではなく)ロングのツアー」の準備をした場合を想定

 

していますので、すでにご経験を積まれているガイドの方には当てはまらない部分が多いと思います。

その点、ご了承ください。